ソファについてのいろいろ話(53)

ソファについてのいろいろ話

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第53テーマ 「  座り心地の番人  」

 

今日は、GRAVITA創業時からの社員で、

ソファの座り心地を作る業務を担当している

スタッフに話を聞いてきました。

 

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Q/ 「座り心地」は何を基準にどのように作っていくのですか。

 

A/ 基本的には、デザイナーから上がってくる図面を読み取り、

コンセプトに沿って作ります。

「既存のモデルを引き合いに出して、○○より少し柔らかく」など

具体的な指示があれば分かりやすいのですが、

「エレガントに」といった抽象的なオーダーだと

はっきりとした形があるものではないだけに色々と苦心します。

自分なりにソファの背板の角度や厚さ、

座面の広さなどの造り、全体的なデザインや最近の傾向などを加味して

手さぐりで作っていきます。

 

Q/ 「座り心地」の違いはどういったところから生まれるのですか。

A/ 座面の下に張るウェービングの間隔やテンション、

クッションを構成するウレタンの密度や厚み、その組み合わせなどで

柔らかい、硬いといった基本的な感触から、

包み込まれる、しっかり支えてくれるといった

微妙なニュアンスまで表現していきます。
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Q/ 最終的に“これで行こう”という座り心地の判断は

誰がどのように決めるのですか。

 

A/ 身長や体重、脚の長さといった体格によっても

座り心地の感覚は人それぞれ変わるので、

より幅広いお客様に心地いいと感じていただくために、

社内でいろいろな人に座ってもらい、感想を聞いて

その意見の平均値をとる形で最終的な座り心地を決めています。

 

Q/ 苦労する点は?

A/ 材料ですね。これまでにない座り心地を作りたいと、

ソファや家具に限らず

いろいろな分野にアンテナを張って新しい素材を探して試してみますが、

種類を増やすだけでは管理が行き届かなくなるし、

あまりにも新しい素材だと、

コストや安全性、安定供給できるかといった問題も出てきます。

素材の品質とソファ作りへの適性、この両面で

良いものをいち早く見つけて

製品作りに取り入れることが一番難しく、

また、一番求められていることだと思っています。
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Q/ やりがいを感じる点は?

A/ 自分で表現し形にできること。

出来上がったものをいいと言ってもらえると

本当にうれしいです。

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ソファ作りに携わって20年以上たった今でも

その時々のニーズに素早く対応できるようにと

日頃から、素材やその工法など新しい“ネタ”を探しているのだとか。

GRAVITAの品質を支える職人の

心意気を感じました。