ソファについてのいろいろ話(41)

ソファについてのいろいろ話

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ソファまわりの色々な事柄について見聞きしたこと、感じたことを綴ってまいります。

よろしくお付き合い下さい。
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第41回テーマ 「 挑戦の記録 CASE01 ~ウェビング編~ 」

 
前回、ご紹介した“開発”について、
みなさんにもう少し詳しく知っていただこうと思います。
 
まずは、ウェビングについての開発から。
 
依頼主から寄せられた希望は
 
座る場所によって生じる沈み込みの差をなくしてほしい。
 
というもの。
 
ソファの端に座った時と真ん中に座った時では、
わずかながら、体の沈み込み具合が異なって感じるということでした。
 
確かに、座る場所によって若干座り心地が変わることはあります。
これは、木枠の底部分に張って体の重さを受け止める
ウェービングに由来するもの。
 
ウェビングは、留めた位置に近い
しっかりと留まっている分、テンション(力)がかかっているので、
体の沈み込みが少なく、座り心地を硬く感じる。
 
 
留めた位置から遠い
テンション(力)のかかりが弱くなり、体が沈み込むので
座り心地を柔らかいと感じる。
 
irir42_wb01ウェビング説明 
さらに、ウェビングの密度(一定の範囲に張る本数)や、
どのくらいの力をかけて引っ張るかによっても
座り心地は変わります。
 
通常は、下のように座面内で均一にウェビングを張ります。
 
irir42_wb01 
しかし、今回は要望に応えるために
↓このようにウェビングを張ってみました。
 
irir42_wb01wb02 
フレームから 離れるほど密度を高くすることで、
かかる重さへの耐久性を均一化。
座面内での体の沈み込みを一定にすることに成功しました。
 
よりよい座り心地を実現するための
一つの可能性を見つけることができました。

このようなノウハウを蓄積し、
様々なモデルにも応用していけるよう
検証を重ねていきます。 
 

 
[↓ウェビングを木枠に取り付けているところ]
張り込む間隔や密度の工夫を実現するのは、
1本1本丁寧に、決められたテンションで張っていく
熟練の職人の技術が支えています。 
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